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こども記者が満蒙開拓学ぶ 阿智で取材教室

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 信濃毎日新聞社は12日、こども取材教室「満蒙開拓の歴史」編を、下伊那郡阿智村の満蒙開拓平和記念館で開いた。県内からこども記者10人が参加。4月に開館した館内を見学し、14歳で満州(現中国東北部)に渡った語り部の久保田諫(いさむ)さん(83)=下伊那郡豊丘村=から現地での暮らしや苦難の逃避行について聞いた。

 同館の専務理事寺沢秀文さん(59)=下伊那郡松川町=が案内。満州に渡った都道府県別移民数のグラフを前に「全国で最も多かったのが長野県で、さらに県内で最多の移民を送ったのがこの飯田下伊那地方」と説明した。

 久保田さんは、国民学校を卒業した1944(昭和19)年に開拓団員として満州に渡った。多くの人が日本の敗戦を知らされない中、久保田さんは45年8月15日の午後にいち早く知った。女性、子どもの一団と逃げたが、一行は「もう生きて日本に帰れない」と絶望し、集団自決で70人余りが亡くなった。久保田さんも残った男性と互いに石で頭を殴り合い死のうとしたが、生き残ったと語った。こども記者に「あんなひどい戦争が二度とあってはいけない。そんな思いで、自分のつらい体験を語っている」と話した。

 飯田市山本小5年の中村ひかりさんは「ここに来て、もう絶対に戦争はしてはいけないと思いました」と話した。

写真説明:展示室を見学しながら満蒙開拓の歴史について学んだこども記者たち=阿智村駒場の満蒙開拓平和記念館

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