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長野マラソン、希望を発信 全国からメッセージ届く

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 4月15日に長野市で行われる第14回長野オリンピック記念長野マラソン大会の組織委員会事務局が、参加者に大会に込める思いを募った「希望メッセージ」がまとまった。東日本大震災で被災した福島県の参加者など、全国各地から67通のメッセージが集まり、走ることで被災地に勇気や元気を与えようとする思いなどがつづられている。
 メッセージ募集は、東日本大震災と県北部地震の影響で昨年の大会が中止となったことを受け、今大会に懸ける参加者の思いを力に変えよう―と初めて企画した。参加者全員に送った年賀状と大会ホームページを通して、今月15日まで募集した。
 福島県伊達市の看護師渡辺竜二さん(38)は「被災地福島を盛り上げようと今回思い切ってフルマラソンに挑戦します」と初参加への思いを書いた。震災で自宅は壁にひびが入るなどの損害を受けた。勤務先の病院は、被害の大きかった各地の患者の受け入れ先となり、「公私ともに大混乱」の状態だった。
 被災から約3週間後、ある患者に「あんたや先生が患者に元気を勇気を分けなくてどうするんじゃい」と言われ目が覚めたという。「走ることで元気、勇気をお裾分けできればと思います。『放射能問題』『風評被害』に負けず、『復興run』をしようと思っています」と走る。
 2回目の参加となる東京都練馬区の会社員舍川(とねがわ)聡さん(46)は、被災地支援の思いをつづった。震災直後「(支援のため)何をしていいのか、何ができるのか。自分を見失った」と無力感に襲われた。
 昨年7月に短文投稿サイト「ツイッター」で知り合ったことがきっかけでランニングチームに入り、自分が1キロ走るごとに50円の義援金を贈る活動を始めた。「義援金のため、もう少し距離を延ばそう」と日々張り合いを持って走れるという。「(大会が)多くのランナーとの出会いを与えてくれたこと、応援してくれる方への恩返しのために、頑張って走る」と臨む。
 広島市の会社員工藤克己さん(55)は、第1回大会から一緒に参加してきた友人を昨年亡くした。命日は今大会の開催日で「走友の分まで思いを込めて走りたい」とする。
 今大会の参加定員は前回より2千人増えて1万人。大会事務局は、集まったメッセージの一部を大会プログラムに掲載する予定だ。
【写真説明】長野マラソン大会のスタートの様子=2010年4月18日、長野市

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