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将来へ一層の進化を 信毎選賞贈呈式

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 公益財団法人・信毎文化事業財団(理事長・小坂壮太郎信濃毎日新聞社社長)は10日、第16回信毎選賞の贈呈式を長野市内のホテルで開いた。諏訪郡下諏訪町出身でコソボフィルハーモニー交響楽団首席指揮者の柳沢寿男さん(40)=東京都、国産初の埋め込み型補助人工心臓を開発したサンメディカル技術研究所=諏訪市、サイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)の運営に協力するSKF松本ボランティア協会=松本市=に、それぞれ正賞のメダルと副賞の30万円を贈った。

 受賞者の家族や関係者ら約90人が出席。小坂理事長はあいさつで、受賞者の功績をたたえ、「将来に向けてより一層の進化と発展を応援します」と激励した。

 公演で海外にいる柳沢さんに代わって出席した妻の美華子さん(37)は「日本人に民族紛争は理解しづらいかもしれないが、夫は一日一日成長している」とあいさつ。「戦火を生き残ったメンバーたちと活動し、音楽が民族の信頼関係の場となっていくことを願っています」との柳沢さんのメッセージを代読した。

 同研究所の山崎俊一社長(53)=諏訪市=は「人工心臓を先駆けて開発した米国に追い付いたことを思えば、製造販売までの20年という歳月はさほど長くはなかった」と振り返った。重症の心不全患者を救うことが企業としての使命とし、「日本の製造業の新しい形態をつくる先駆けとなりたい」と抱負を語った。

 同協会の青山織人会長(67)=松本市=は、登録者がSKF開始時(1992年)の24人から、500人以上に増え、活動の幅が広がっていることを説明。「小沢征爾さん以下、演奏者の理解があってこそ」と述べた。東日本大震災や6月に松本市で震度5強を観測した地震に触れ、「人のつながりや絆がこれまで以上に求められている。受賞を機にSKFのサポーターやボランティアにとどまらずに、地域社会でも絆やつながりを展開していきたい」と話した。

 信毎選賞は、文化やスポーツ活動を通じ社会に貢献し、今後の活躍が期待される個人・団体を顕彰するため1996年に創設。今回は22の個人・団体を対象に選考した。

【写真説明】小坂壮太郎理事長(左)から信毎選賞を受けるSKF松本ボランティア協会の青山織人会長。着席する(右から)サンメディカル技術研究所の山崎俊一社長と、指揮者の柳沢寿男さんの妻、美華子さん=10日午前、長野市内のホテル

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