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類ない感性たたえ 信毎選賞、3氏に贈る

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 信毎文化事業財団(理事長・小坂健介信濃毎日新聞社社長)は10日、長野市内のホテルで第15回信毎選賞の贈呈式を開いた。東京・山谷(さんや)地区で身寄りのない人などのホスピスを運営する伊那市出身の山本美恵さん(52)=東京都、推理小説でデビューし精力的に活動する作家の遠藤武文さん(44)=安曇野市、新しい写真表現に挑み写真界や美術界に新風を吹き込んだ高木こずえさん(25)=中野市=に、それぞれ正賞のメダルと副賞30万円を贈った。
 受賞者の家族や関係者など約90人が出席。小坂理事長は式で「他人への限りなく温かいまなざし、類のない感性による創造の世界を持っている」と3氏をたたえた。
 山本さんはあいさつで、伊那市の共同墓地に4日、ホスピス「きぼうのいえ」でみとった人の遺骨を納めたとし、「せめて死んだら落ち着く場所が欲しいというのは(ホームレスの)おじさんたちの願い」と話し、「互いに隣同士を助け合ったらもっと安心できる世界になる」と訴えた。
 遠藤さんは、全国で多くの作家がしのぎを削っているとし、「生き残るためにはほかの作家がやらないことをやるしかない」と強調。「地元密着のネタでしかも全国の人が納得してくれるような話を書いていきたい」と見据えた。
 高木さんは高校卒業後、東京で写真に取り組み、2月に県内に戻った。「わたしの感性やものを見る目は長野でつくられたものが大きい」と感じたという。来年、県内で展示会を計画。「期待に応えられるように頑張りたい」と意気込みを語った。
 信毎選賞は1996年創設。文化、スポーツ、社会活動を通じて社会に貢献し、今後の活躍に期待ができる個人・団体に贈っている。今回は24の個人・団体が選考対象となった。
【写真説明】小坂健介理事長から信毎選賞を受けるホスピス「きぼうのいえ」運営の山本美恵さん。着席する写真家の高木こずえさんと作家の遠藤武文さん(右から)

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