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2006年1月26日〔販売局〕
例年より1カ月以上も早く豪雪が続き、今が本当の冬本番―。県北部の新聞販売店は毎朝、雪と格闘しています。下水内郡栄村の森宮野原駅前にある中林新聞店からは、下半分が雪に埋もれた「日本最高積雪地点」(7.85メートル)の標柱がはっきり見える。「このくらいの量なら、いつものこと。でも、この冬は12月から途切れない。参ったよ」と前店主の中林誠一さん(85)。
同店は栄村と隣の新潟県津南町の合わせて約420部を扱う。うち信毎は290部。誠一さん夫妻、長男で店主の誠一郎さん(50)の3人で、午前3時ころから新潟分、4時すぎからは届いたばかりの長野県分を、黙々と地区別などに分け、チラシを挟み込む。
5時ころから誠一郎さんは店の近くを配り、続いて車で遠隔地の配達員に新聞を届ける「大配(おおはい)」に向かう。途中で戸別配達もこなし、ルートや時間に無駄はない。
この冬、配達員の1人が除雪作業中に亡くなった。その分は誠一郎さんが配って、しのいでいる。「除雪作業で待たされたり、雪崩で遠回りしたり…」。暗がりでは緊張も強いられる。
店から南方向の山間に10キロほど入った最奥部の小集落、極野(にての)。道路脇や家の周囲には3―4メートルの雪の壁が立ちはだかる。配達員の藤木金寿さん(77)は雪で濡れないように、新聞を入れたバッグを防寒コートの中に抱え、新雪に最初の踏み跡を付けながら20軒を回る。「大雪の時はひざ上まで積もっていて、夏の3倍近い50分ほどかかる」
今冬は秋山地区への郵送便が止まったり、遅れたりする対応にも追われている。「早く3月になって日が長くなれば…」。雪国の配達の苦労はまだまだ続きます。
【写真説明】雪に埋もれた参観の極野地区で配達する藤木さん。バッグに入れた新聞は濡れないように防寒コートの中に抱える