信濃毎日新聞ニュース特集

記録的大雪(2005-2006)

栄村秋山への国道、時間限定開通へ 5日ぶり住民対象
2006年1月13日掲載

 豪雪で下水内郡栄村秋山地区と新潟県津南町の一部住民が孤立状態になっている問題で、両町村と新潟県などは12日午後、津南町役場で話し合い、13日午後2時から5時までの3時間に限り、全面通行止めになっている国道の通行を住民や関係者に許可すると決めた。その後は本州付近に暖気が流れ込み、雪が緩んで雪崩の危険が増すため、14、15日は再び通行できなくなる。16日以降は再協議して決める。孤立状態の完全解消にはまだ時間がかかりそうだ。
 現在の通行止めは、津南町内の国道405号見玉―大赤沢間(約10キロ)。これに伴い栄村の124世帯・約300人と、津南町の69世帯・約200人が8日から孤立している。
 これまで長野、新潟両県側から除雪を進め、作業が必要な区間は12日夕時点で残り700メートルとなり、13日午前に作業が終わる見通しとなった。新潟県は12日、新潟大積雪地域災害研究センターの和泉薫教授(雪氷学)ら専門家2人に通行止め区間の調査を依頼。2人から斜面の雪庇(せっぴ)の除去はほぼ終わったが、数カ所がまだ危険との指摘を受けた。このため、現場付近に監視員や重機を配置した上で限定的に通行を認めることにした。
 会議後の記者会見で、新潟県十日町地域振興局の多田重孝・地域整備部長は「13日に一帯を上空から専門家に見てもらい、来週以降通行できるかどうか判断したい」と述べた。
 栄村は12日夜、13日の限定開通の間、秋山地区に灯油、軽油、ガソリンを輸送することを決めた。休校中の秋山小の授業を再開するため、現在は地区外にいる教職員6人、児童2人とその母親らも自家用車で同地区に戻る。同校は16日に始業式を行う。
 長野県は13日午前、県立須坂病院の災害派遣医療チーム(4人)をヘリコプターで秋山地区に派遣し、村の診療所で医療活動にあたらせる。国道が開通するまで、新潟県との共同医療チームが毎週月、木曜日に診療所で医療活動を行う。
 日本郵政公社は12日夕、2町村の孤立世帯に配達できなくなっていた郵便物約1400通を自衛隊車両で現地に搬送。13日、各戸に配達する。


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