今年ももうすぐ、広島に原爆が投下された日がやってきます。私はこれまで何回か平和記念式典を見学させていただきましたが、やはり考えさせられることが多い体験でした。 戦後60年を過ぎ、今ではそうした姿は少なくなったかもしれませんが、私が訪れたその日の朝は、慰霊碑に合掌し続けるお年寄りの姿が、あちこちで見られました。その深いしわには、どんな人生の歩みが刻み込まれているのか。原爆がもたらした地獄絵そのものの惨状と、被爆者や家族のその後の過酷な生活を思うと、私はただただ頭をたれることしかできませんでした。