信濃毎日新聞社主催の「信毎ホームページ大賞2007」(協賛・キヤノンマーケティングジャパン)は29日までに審査を終え、グランプリを静岡市の大学院生、川島崇さんの作品「嗚呼すばらしき世界BLOG」と決定しました。
同作品は、大学を休学して訪れた60カ国での交流やエピソードをブログの形で紹介した作品です。審査では、写真の素晴らしさ、文章の分かりやすさなどが評価されました。今回から設けた「審査員・高城賞」も受賞し、2冠となりました。
応募総数は5部門で計453件。第1次審査を通過しノミネートされた40作品を、群馬大学教授の下田博次さん、映像作家の高城剛さん、デジタルライターの三井貴美子さんが審査、採点しました。詳しい作品評などは、11月8日付け信濃毎日新聞朝刊で特集します。
ウェブ投票は約1ヵ月の期間に、1537件の有効票をいただきました。その結果、北安曇郡白馬村の白木真樹子さんの作品「blogでつづるアルプの花日記」が1位となりました。投票参加者を対象にしたプレゼントの抽選、発送は11月初旬までに行う予定です。
トロフィーなどの贈呈式は11月10日、長野市内で開きます。グランプリと各賞は次の通りです(敬称略)。
【グランプリ】
「嗚呼すばらしき世界BLOG」=ブログ部門
【優秀賞】
▽ブログ部門
車いす、フルスロットル(青森県野辺地町・柴崎昭雄)
▽ビジネス/ショップ部門 アジアの手仕事 香舎casha(長野市・岩垂美千代)
▽ライフ/情報部門 長野市「信州・風林火山」特設サイト 川中島の戦い(ながの観光コンベンションビューロー)
▽グループ/コミュニティ部門 長野県・信州口コミ情報ブログポータルサイト「ナガブロ」(長野市・有限責任事業組合ロングフィールド)
▽ホビー/パーソナル部門 該当なし
【審査員・下田賞】
長野市「信州・風林火山」特設サイト 川中島の戦い=ライフ/情報部門
【審査員・高城賞】
「嗚呼すばらしき世界BLOG」=ブログ部門
【審査員・三井賞】
世界の高級茶ブランドHOJO(下伊那郡高森町・株式会社HOJO)=ビジネス/ショップ部門
【特別賞】
とってもわかりやすい自閉症のページ(千葉県松戸市・ちびごんママ)=ライフ/情報部門
【ウェブ投票上位得票3作品】
▽1位
「blogでつづるアルプの花日記」=ブログ部門
▽2位
信州山歩き地図(長野市・中嶋豊)=ホビー/パーソナル部門
▽3位
われらがベースボールチーム 信濃グランセローズを応援するブログ(長野市・インテージ長野)=ブログ部門
全体講評
「行動させる」手腕大事に
全体的な印象から言えば、ブログ利用の広がりが感じられる。ブログ発信は気軽にできるが、いざ始めてみると編集力の無さが自覚されてしまうようだ。
ホームページからブログ、プロフと発信の容易化が進行し、まさに「誰もが発信者の時代」であるが、表現力の悩みもまた一般化していく時代だろう。とりわけブログは悩みながら続けて、それなりのレベルに達していくところがおもしろい。
それはさておき、これからのホームページ編集は、単に「知らせる」技量ばかりか、「深く理解させ、行動させる」手腕、技法が重視されるのではなかろうか。その意味で、観光振興としてのながの観光コンベンションビューロー制作のホームページは、既知の名所の魅力を深掘りし「行ってみようか」という気にさせる作品だった。(下田博次さん)
動画取り入れてみては
今年も、皆さん頑張っておられているので悩みに悩みました。特に、コミュニティーの場として活躍しているサイトが、目立ったように思えます。また、ユーザーの立場に立って、ページ構成、デザイン、の点で考えられたサイトが多数見受けられました。その半面、「これ、面白い」「これ、斬新だ」と思うサイトが、少なかったのは寂しく感じられました。
最近では、動画サイトが増えつつありますが、こちらも思ったほど見受けられなかったのは、少々残念です。コンテンツによっては、動画の方が、インパクトを得られたり、伝えやすい場合もありますので、取り入れてみては、いかがでしょうか。
Webは、もっと自由であってほしいものです。皆さんのアイデアを期待しつつ、さらなるリニューアルを楽しみにお待ちしております。(高城剛さん)
ネット介した交流も魅力
今年も力作ぞろいで、時間を忘れてじっくり読んでしまう作品に多数出合いました。得られる情報量の多さや、大きな画像をふんだんに使用したサイトの増加に、ブロードバンド環境が当たり前になったことで、インターネットがますます便利になったことをあらためて実感させられるとともに、以前ノミネートされた作品に再会するなど、このイベントが皆さんの励みになっていることがうれしかったです。
また、ブログの普及により、凝ったデザインのサイトが減った一方、イラストや写真などで差をつけたり、既存のサービスを上手に利用し、ネットを介してさまざまな人とコミュニケーションを楽しむ様子に惹(ひ)かれました。
誰もが情報発信できる時代、個性的で魅力のあるサイトとは何か、いま一度考える良い機会になりました。(三井貴美子さん)