1998年長野大会の女子回転座位で銀メダリストになった青木が8年後、銅メダルを獲得した。
降り続いた雪で軟らかくなった斜面は難物だった。何度もスキーをとられそうになりながら、両手のアウトリガーをうまく操り、バランスをとりながらフィニッシュ。
今大会は滑降の途中棄権で始まり、スーパー大回転は5位、大回転は6位。最後に満足できる成績を残した46歳のベテランは、はち切れんばかりの笑顔で「ほっとしましたの一言です。とにかくうれしい」。感動のあまり、ほかの言葉がなかなか出てこなかった。
長野市内で地図などを製作する会社に勤め、毎年冬になると長期休暇を取り、スキーに励んできた。
今回のメダルは8年前に、故郷で首にかけたのとは意味が違うという。「長野のメダルは競技を続ける原動力になった。盛り上げてくれた周囲のおかげで取れた」と振り返る。二つ目の「宝物」は「自分の力でつかんだという実感があります」。レースを終え、やや紅潮した顔には、トリノの風が心地よさそうだった。