信濃毎日新聞ニュース特集

トリノ冬季パラリンピック

三沢拓 攻めて納得の10位 アルペン大回転
2006年3月17日掲載
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 【セストリエール16日=井上典子】ゴールに飛び込み、アウトリガーを高く掲げた。「2回目は思い切り滑れた」。三沢拓は一けたにあと一歩と迫る10位に納得した表情だった。
 1回目は日本チームの伴一彦チーフコーチ(上田市)がコースセッターで、外国勢が「回転のようだ」と言うほど旗門の間隔が狭かった。日本勢には有利と思えたが、トップと3秒87差の10位。「もっと上に付けたかった。ふだんより多少きつい程度なのに攻め足りなかった」。その反省から2回目は攻める気持ちを貫いた。「順位は上げられなかったが、自分の若さを出せた」と満足のいく滑りを見せた。
 2位の東海とはこの4年間、一番長く一緒の時間を過ごし、東海の後ろを見ながら練習してきたという。三沢は「自分のことのようにうれしい」と涙を流した。
 ヘルニアによる痛みを抱え、痛み止めの注射を打ちながらの出場だが、東海のメダル獲得に力づけられた様子。今大会最後のレースとなる18日の回転に向け、「しっかり攻めていきたい」と意気込んだ。
【写真説明】男子大回転・立位で銀メダルを獲得した東海(左)と喜び合う三沢=16日、セストリエール(井上典子撮影)


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