信濃毎日新聞ニュース特集

トリノ冬季パラリンピック

決勝トーナメント進めず スレッジホッケー
2006年3月16日掲載

 【トリノ14日=井上典子】「腹はくくっていた。米国は『ここぞ』という試合は落とさないから」(中北浩仁監督)。14日午前のドイツ戦で引き分けてから約7時間後、米国がスウェーデンに勝ち、日本はメダル獲得への道を絶たれた。選手村に引き揚げていた監督、選手は、ある程度の覚悟はしていたものの、無念さを隠せなかった。
 大事な初戦でスウェーデンを下して好スタートを切ったが、決勝トーナメント進出へあと一歩及ばなかった1次リーグ。遠藤隆行主将(埼玉)は「どこかで気持ちを保てない部分があった」。ドイツ戦で堅守を見せたGK永瀬充(北海道)も「メダルを取るために、今までたくさんの人に支えられてやってきたのに…」と厳しい表情。
 それでも、5―8位の順位決定戦を控え、選手たちは「まだ終わっていない。チームの雰囲気を盛り上げて、恥ずかしくない試合をする」(遠藤)、「全力で戦い、日本の強さをアピールしたい」(永瀬)などと、自らを高ぶらせた。
 中北監督も「順位決定の2戦で、バンクーバー大会(2010年)につなげられる試合をするのが私の仕事」ときっぱり。2戦とも勝ち前回米ソルトレークシティー大会と同じ5位を確保することを、目標に掲げ直した。


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