信濃毎日新聞ニュース特集

トリノ冬季パラリンピック

大日方 滑降で銀 3大会連続メダル
2006年3月13日掲載

 【セストリエール(イタリア)12日共同】トリノ冬季パラリンピック第3日は12日、セストリエールなどで行われ、アルペンスキー女子滑降座位で日本選手団主将の33歳、大日方邦子(東京)が銀メダルを獲得した。日本のメダル獲得は今大会3個目。
 4大会連続出場の大日方は1998年長野大会の滑降金メダルを含め、これで金1、銀2、銅3の通算6個目のメダル獲得となった。
<残り3種目へ手応え>
 【セストリエール12日=井上典子】ゴールエリアでローリー・スティーブンス(米国)の滑りを見ていた大日方邦子(NHK・東京)は、自分が敗れたのを確認すると、拍手でスティーブンスを迎えた。「やはり序盤の緩斜面が勝負だった。ここで勝たなければいけなかった」と冷静に振り返った。
 スティーブンスは大日方よりやや重い障害区分に入る。障害の程度に応じた係数を掛ける前の実測タイムでは、大日方が0秒16速かった。だが、序盤は実測タイムでもスティーブンスが上。スティーブンスは中盤で態勢を崩しロスしたものの立て直し、大日方は追い付けなかった。
 日本では滑降を練習する機会はほとんどない。アルペン陣は2月に北安曇郡白馬村の八方尾根で、スピード系重視の合宿をこなして臨んだが、この日のコースは五輪男子滑降コースの一部。「滑降のターンの大きさに慣れていない。円を描くようなスムーズなラインがとれていない」と大日方。
 松井監督は「転倒しそうになってもレースを投げなかったローリーの気迫が上回った」とライバルを称賛。3大会連続メダルという第一段階をクリアした大日方は「練習の少なかった滑降でまずまずの結果」と、残る3種目でもう一つ上のメダル獲得へ自信をのぞかせた。


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