信濃毎日新聞ニュース特集

トリノ冬季パラリンピック

上原 ハットトリック スレッジホッケー白星スタート
2006年3月13日掲載

 【トリノ11日共同】トリノ冬季パラリンピックは第2日の11日、トリノ市内のエスポジツィオニ競技場でアイススレッジホッケーの1次リーグを行い、B組の日本は初戦で2004年世界選手権3位の強豪、スウェーデンに5−1で快勝し、白星スタートを切った。上原大祐(長野大・北佐久郡軽井沢町)が3得点を挙げる活躍だった。
<スピード、組織力で勝つ>
 第2ピリオドの開始早々に同点に追いつかれた。嫌な流れになりかけたが、チーム最年少24歳の上原がチームを救った。
 自慢のスピードを生かした。第2ピリオドの4分すぎに混戦を見極めて左サイドに抜け出し、勝ち越しのゴール。その2分後は自陣から右サイドに切り込んで2点目、第2ピリオド終了間際には3点目を奪った。
 ゴールラッシュでパラリンピックのデビュー戦を飾った上原は「ハットトリックが目標だったのでうれしい」と意気揚々。生まれつき下半身が不自由だが、「障害者スポーツで最も激しいから」とアイススレッジホッケーを選んだ気の強さを大舞台で発揮した。
 上原の活躍はチームのスピードと組織力が呼び込んだ。体の大きな相手を複数の選手でつぶし、パックを持った味方には素早くカバーの選手がつく。意思統一されたプレーを存分に展開した。
 1998年長野大会、前回のソルトレークシティー大会はいずれも初戦を落とし、波に乗ることができなかった。初戦をものにし、中北監督は「大事な試合だった。よくやった」と胸を張った。
 第2戦はソルトレークシティー大会の覇者、米国に挑む。中北監督は「まだ第1段階にすぎない。われわれは金メダルが目標。一歩ずつ進んでいくだけ」と気を緩めなかった。


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