信濃毎日新聞ニュース特集

トリノ冬季パラリンピック

選手と同じ目線で スレッジホッケー審判 竹中さん
2006年3月 5日掲載
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 10日に開幕するトリノ冬季パラリンピックに、松本市の竹中敏樹さん(29)が、アイススレッジホッケーの審判で出場する。同競技の審判となって3年、初の国際大会に、竹中さんは「選手との意思疎通を積極的に図りながら一緒にゲームをつくりたい」と意気込んでいる。
 アイススレッジホッケーの審判を始めたのは、前回の米ソルトレークシティー大会で線審を務め、トリノ大会にも出場する笠原芳文さん(35)=岡谷市=の勧めがきっかけだった。
 愛知県出身で信大アイスホッケー部に所属した竹中さんは卒業後、岡谷市のやまびこスケートの森で少年チームを指導。同施設に勤める笠原さんから「アイスホッケーの審判をやらないか」と声を掛けられ、「指導に役立つ」と講習会に参加。松本市内の会計事務所に勤めながら高校生の大会などで笛を吹いてきた。
 県内からアイススレッジホッケー日本代表に多くの選手が加わっているのに、審判は少ないことを憂えていた笠原さんに共感。「審判としての視野も広げたい」と、3年前からアイススレッジホッケーの審判にも取り組むようになった。
 アイススレッジホッケーは、選手と審判の視線の高さが異なり、スレッジ(そり)にパックが隠れてしまうなど、判定のためにより細かな注意力が要求される。「慣れないころはよく選手と接触し転んでいた」と竹中さん。ジャパン・パラリンピックなど多くの試合を経験、試合展開や判定のこつをつかんだという。
 パラリンピックの審判に国際資格は必要なく、早い時期にトリノ大会出場が決まっていた笠原さんが、日本パラリンピック委員会(JPC)に竹中さんを推薦した。笠原さんは主審を、竹中さんは線審を務める予定だ。
 大会では、日本チームの試合以外を担当する。竹中さんは「試合の流れを崩さないよう、誰もが気持ちよかったと思えるジャッジをしたい」と話している。
【写真説明】トリノ冬季パラリンピックのアイススレッジホッケーで審判を務める竹中敏樹さん


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