信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
県内景気浮揚に期待 経済界 村井氏に財政健全化も注文
2006年8月 8日掲載

 知事選で初当選した村井仁氏に対し、県内経済界から7日、さまざまな注文が出た。企業誘致やベンチャー支援などでリーダーシップを発揮し、県内経済の浮揚を図ってほしい、との声が目立つ一方、田中県政が進めた財政健全化などの継続を願うトップもいる。
 県タクシー協会の安藤喜久雄会長は、各社の売上高減少を「県内の経済活動が落ちている表れ」と指摘。村井氏には「企業誘致を進めるなどして、県内景気を軌道修正してほしい」と期待する。
 県建設業協会の中沢英会長は「必要な公共事業を行い、雇用や経済活性化につながるよう期待している」、ホクト(長野市)の水野正幸会長は「企業誘致や公共投資など、必要な分野では県費も使うべき」と指摘する。
 「ベンチャー企業支援策の充実を」と訴えるのは、特殊プリンターなど製造のマスターマインド(塩尻市)の小沢千寿夫社長。これまでも県がアドバイザーを企業に派遣する制度はあったが、「県の担当者が、企業の事業内容を十分に把握していないケースも多かった」として、より効果的な制度を求めている。
 産業振興の推進と財政健全化の両立を望む声も強い。県経営者協会の関安雄専務理事は「財政を健全化させつつ、活力ある県を目指してほしい」と期待。八十二銀行(長野市)の山浦愛幸頭取も「見劣りしている県内経済の再興を願う。県政を前向きに進めながら財政再建の方向を確立してほしい」とコメントした。
 一方、田中知事を支持した経営者からも、産業政策の充実に期待が寄せられている。機械金属製造のキンポーメルテック(飯田市)の杉山治久会長は「精密機械産業への支援や企業誘致に力を入れ、県税収入の確保に努めてほしい」。また、「無駄な公共事業が行われないよう、県議会と『戦う』ことも忘れないで」とくぎを刺した。


<前の記事 2006長野県知事選 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun