信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
経営戦略局を見直し 村井氏、1階知事室廃止へ
2006年8月 7日掲載

 知事選から一夜明けた七日午前、初当選した前自民党衆院議員の村井仁氏(69)と、落選した田中康夫知事(50)はそれぞれ長野市内で記者会見した。村井氏は田中知事が県の中枢組織として設けた「県経営戦略局」が「極度に肥大化している」と指摘し、組織を見直す考えを表明。8月末まで任期を残す田中知事は、県立高校の統廃合に当たり県会の同意を得る議案の提出と、浅川(長野市−上高井郡小布施町)のダム代替案づくりを凍結し、九月一日に就任する村井氏に判断を委ねる考えを示した。
 知事選から一夜明けた7日午前、初当選した前自民党衆院議員の村井仁氏(69)と、落選した田中康夫知事(50)はそれぞれ長野市内で記者会見した。村井氏は田中知事が県の中枢組織として設けた「県経営戦略局」が「極度に肥大化している」と指摘し、組織を見直す考えを表明。8月末まで任期を残す田中知事は、県立高校の統廃合に当たり県会の同意を得る議案の提出と、浅川(長野市−上高井郡小布施町)のダム代替案づくりを凍結し、9月1日に就任する村井氏に判断を委ねる考えを示した。
 村井氏は長野市内の後援会事務所で記者会見し、県経営戦略局について、知事直属の組織として肥大化していると指摘。「すべてが知事の決断に委ねられる形になっている。改めなければいけない」と見直す意向を明言した。
 ダム建設計画が中止された浅川の治水対策に関しては、「知見を蓄積している人の知恵を総合的に勘案し、判断していく」としたが、「『脱ダム』宣言は周辺住民に満足感を与えるものか」とも述べ、県が策定中の河川整備計画の実現性には疑問を示した。
 また、田中知事が就任後に設置した県庁1階のガラス張り知事室については「田中県政の象徴であったことは認めるが、視覚的な透明性を意味しているだけだ。職務にいい環境とは思わない。入るつもりはない」、県庁や現地機関で県職員が来庁者を案内する「お尋ねコンシェルジュ」も「案内人がいなければいけないほど難しい県庁か。理解の外だ」と指摘し、いずれも廃止する考えを示した。
 職員人事については、「あるべき人があるべき場所に座るようにできるだけ早く持っていく」とした一方、幹部の起用に関しては「(職員を)良く知らないので分からない」と述べるにとどめた。
 選挙戦中から「田中県政の評価できる点」と述べていた「車座集会」については「発言が自由ではなかったと聞くが、手法は決して悪くない。私に投票してくれなかった批判的な方から意見をうかがいたい」として、あらためて前向きな姿勢を示した。


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