信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
「笑顔よりも緊張」村井さん、事務所閉所や企業回り
2006年8月 7日掲載

 「責任の重さを感じている」「心残りはない」−。新人の村井仁さん(69)が現職の田中康夫さん(50)を約7万8000票差で破り、初当選した知事選の開票から一夜明けた7日午前、2人はそれぞれ記者会見に臨んだ。緊張した表情ながら、熱っぽく抱負を語る村井さん。一方、田中さんは穏やかな表情で淡々と選挙戦を振り返った。
 村井さんは午前7時半、今回の選挙を支えた人たちでつくる「県人会議」に出席するため、長野市内の宿泊先から乗用車で秘書とともに同市内のホテルへ。紺のスーツ姿。ロビーで報道陣が待ち構えたが、無言のまま部屋へ入った。
 会議には、後援会長で県経営者協会会長の安川英昭さん、連合長野会長の近藤光さん、県議の石田治一郎さんらが出席した。終了後、村井さんは「今朝は6時に起きた。興奮というより責任の重さを感じている」ときっぱり。
 同9時半ごろ、市内の選挙事務所で閉所式。約40人のスタッフや支持者を前に「ご苦労に感謝したい」と頭を下げ、安川さんと並んでだるまに目を入れた。
 10時25分から同事務所で始まった記者会見では開口一番、「決して笑顔でスタートするわけにはいかない。緊張している」と厳しい表情。時折、紙コップの水を飲み、テーブルにひじを置いて身を乗り出すように、身ぶり手ぶりを交えて1時間以上話した。
 「昨夜から今朝までどう過ごしたのか」という質問には目を細めて表情を緩ませ、「よく休んだが、もともとよく休む方なので、ちょっと寝不足」。砂防など公共事業に質問が及ぶと「私からも述べさせていただきたい」と力が入った。
 その後は長野市内の別の事務所に立ち寄り、手を振って企業回りに向かった。


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