長野市の祝勝会場では、最前列に並んだ後援会「輝く81の会」副会長の近藤光さん(連合長野会長)や弁護士の永田恒治さん(松本市)、県議で自民党県連幹事長の石田治一郎さんらが顔を真っ赤にして次々と握手、肩をたたき合って喜んだ。
数分後、後援会長で県経営者協会会長の安川英昭さん(セイコーエプソン相談役)がもみくちゃにされながら入場。複数の自民党国会議員も来賓席に座り、2000年10月の知事選で田中さんに敗れた元副知事の池田典隆さんの姿もあった。
村井さんの選挙は、現職と対立する県議や市町村長が、全面的に支援した。選対本部長を務めた前大町市長の腰原愛正さんは「市町村との対話がない高校改革の進め方は、県民の声を聞かない田中県政の独善的手法が表れた」とし「こんなはずではないという県民の思いが結集した結果だ」。
田中さんと対立してきた県議らが支援した候補が勝ったのは初めて。「県民が賢明に判断してくれた。われわれ以上に県民が先を行っている」と石田さん。同時に「県議への厳しい見方があるのも事実だ。かつての知事と県議会の関係とは違い、互いに堂々と意見を出し合いたい」と言った。
村井さんを支持した人たちは今回、「田中さん以外の候補」の1点で一致した。安川さんは、新たに始まる村井県政に「自分たちの候補だと思って口を出すのはまずい」と言った。前回まで田中さんを支持、今回は手法を批判して村井さんを支持した永田さんも「村井県政が確実に改革を進めるのかを厳しく見ていくのと同時に、できる部分で県政に参加したい」と話した。