「残念でならない」「県民に開かれた県政は続くのか」。田中さんの支持者が集まった松本市内のホールに落選が伝わると、落胆の声が広がった。肩を寄せ合い涙を流す女性たちもいた。
松本市の大学事務職員の大木晃さん(34)は前回選に続き、田中さん陣営にカンパを寄せるなどして支援した。「県民は田中さんの掲げる理念や政策を理解することを拒んだということなのか」と悔しさをにじませた。
「何かの間違いでは…」。松本市の主婦関文子さん(62)は言葉を失った。「福祉を大切にし、弱者を支える田中さんに協力したい」と、同市の選挙事務所で支持要請の電話をかけたりビラを配ったりしたが「前回とは支持の広がりへの反応が鈍いのを感じた」。
6年で幕を閉じる田中県政。北佐久郡立科町から駆けつけた農業今井秀雄さん(58)は「村井さんには、田中さんが行った財政改革や、県民に開かれた県政を後戻りさせないことを望む」と注文した。
田中さんのあいさつに続いてマイクを握った確認団体代表の穂苅甲子男さん(81)は「県民益のために奉仕の理想を掲げた田中精神を、今後も信州、日本に生かしたい」と語気を強めると、「そうだ」との声が飛んだ。穂苅さんは、自らが会長を務める田中さんの後援会「しなやかな信州をはぐくむ会」を解散する考えを明らかにした。