信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
最後の日曜熱く 2候補、支持拡大に駆ける
2006年7月31日掲載

 知事選の選挙運動期間中、最後の日曜日となった30日、新人の村井仁さん(69)と現職の田中康夫さん(50)はそれぞれ、有権者の多い長野市、松本市とその周辺を中心に活動し、街頭に立ち、個人演説会を開催。梅雨が明けた夏空の下、支持拡大に駆けた。
<村井さん 祭り会場を歩いて訴え>
06073101.jpg 村井さんは午前中、長野市で支持者回りをした後、午後は同市と上田市の計3カ所で「タウンミーティング」を開いた。午後3時すぎ、長野市の1会場では「知事と県職員、市町村との関係を変えないといけない」。市町村の判断で施策が展開できるよう裁量幅を広げて「県民の要望が実現するようにしたい」と強調。
 連合長野の呼び掛けで訪れ、本人の話を初めて聞いた市内の団体職員山城久美子さん(35)は「ていねいな話しぶりで人柄の良さが分かった」。今の県に成果が少ないとの主張に共感したが「具体的にどう変わるか、はっきりしない」と言った。
 午後6時すぎ、同市篠ノ井の夏祭り会場を歩き、支持を呼び掛けた。祭りに来た人に両手を上げて「頑張ります、よろしく」。夜は市内2カ所で演説会に臨んだ。
 祭りの露店で焼きそばを売っていた飯山市の丸山清三さん(59)は、握手をして「頑張ってください」と声を掛けた。売り上げはピークだった10年ほど前に比べ半減。「景気の回復に向けて、力を尽くしてくれるよう期待したい」と話した。
【写真説明】夏祭り会場で握手して歩く村井仁さん=30日午後6時20分、長野市のJR篠ノ井駅前

<田中さん 市街地で自らビラ配り>
06073101.jpg 田中さんは、松本市の乗鞍高原から安曇野市などを遊説。午後3時すぎ、松本駅前で選挙カーを降りて、市街地を歩きながら自らビラを配って支持を訴えた。若者には「期日前投票でもいいからね」と声を掛けた。
 午後4時すぎ、市街地の公園で街頭演説。就任後に危機管理室を設置したことや、今回の豪雨で被災地に県職員を派遣したことなど災害への手厚い対応を強調。福祉施策も掲げて「未来に借金やコンクリートの山を残してはいけない」と訴えた。夜は東筑摩郡波田町で個人演説会を開いた。
 公園での演説を妻と聞いた松本市の病院職員白川栄治さん(37)は「公共工事から福祉施策に重点を移し、県としてはいい方向に来ていると思う」と評価。一方で「パフォーマンスは必要なのか」とも話した。
 買い物に訪れ演説を聞いた長野市のフリーター酒井努さん(24)は、田中さんが木製ガードレール普及を進めていると聞き「地域の雇用が増える一例と思う」と受け止め「もっと正規雇用が生まれる環境を整えてもらいたい」と話した。
【写真説明】市街地の公園で握手して歩く田中康夫さん=30日午後4時55分、松本市の花時計公園


<前の記事 2006長野県知事選 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun