信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
終盤へ 両候補フル回転 29日ドキュメント
2006年7月30日掲載

 8月6日の投開票日まであと1週間となる知事選。新人の村井仁氏(69)と現職の田中康夫氏(50)は29日、早朝から夜まで、各地で精力的に運動を繰り広げた。この日、村井氏は飯田下伊那地方を重点的に回り、田中氏は松本市や長野市などを遊説。有権者一人一人に、県政を担う意欲を訴えかけた。
<村井氏 演説会 聴衆全員と握手>
 6時57分 飯田市内のホテルをたち、下伊那郡根羽村役場前に到着。出迎えた支持者らと握手を交わす。
 8時14分 飯田市内で選挙カーと合流。
 9時15分 移動の車内でおにぎり3個とパンで朝食。「国会議員時代は米消費拡大・純米酒推進議員連盟のメンバー。朝飯は必ず米の飯、夜は必ず日本酒。私は有言実行です」
 同31分 同市のみなみ信州農協本所。街頭演説で「通産省と代議士活動で、皆さんのお知恵をまとめる仕事の腕を磨いた。これが今の長野県には一番大事だ」
 同40分 連合長野飯田地協の会議であいさつするため、同農協本所の2階へ階段を駆け上がる。「お待たせしてはいけませんから」
 10時19分 同市の後援会飯伊事務所。前半戦を振り返り「自分の選挙は7回目だが、車に手を振ってくれる人がこんなに多いなんてびっくり」。終盤に力を入れる点について「県立高校再編や浅川治水のように、今の県政の手法で明らかに問題があるものは指摘していく」。
 午後3時16分 上伊那郡宮田村内のガソリンスタンドで選挙カーに給油。店で飼っている小型犬を見つけ、しゃがみこんで「おいで、おいで」。
 同26分 同村商工会館前の街頭演説で宮下一郎衆院議員(5区)が合流。応援演説で宮下氏は「国家公安委員長、防災担当相を務めた安心、安全のプロ」と強調。
 4時6分 伊那市の「いなっせ」での街頭演説で「私には上手な言葉だけで皆さんを幸せにする能力はない。だが、本当に必要なものをよく皆さんと相談し、実行に移していく、その能力は十分にあるつもりだ」。演説後、田中氏を念頭に置いた発言に「意識しているわけじゃない。自然にそうなっちゃう」
 6時54分 個人演説会場の飯田市東野公民館に到着。開会までに約100人の聴衆全員と握手。
 8時7分 同市上久堅公民館で、この日2度目の個人演説会。今回の豪雨災害に触れ、「災害時に被害を減らすことが政治に携わる者の務めだ。(砂防事業を)市町村長がやりたいと言っても、県で止まってしまう現状がおかしい」。
<田中氏 初の選挙カー 口調熱く>
 午前7時35分 松本市内のホテルから、支持者の車でJR松本駅前へ。ボランティアと客待ちのタクシー運転手や通勤客にビラ配り。女性運動員に「ちゃんと声を出してね。朝は急いでいらっしゃるから」。
 同43分 選挙戦前半の手応えについて「あちらは組織を総動員され、人もお金もかなわない。厳しい戦いだと肌で感じている」。
 8時 同駅前で街頭演説。豪雨災害に触れ「本日で自衛隊も撤収する。お許しをいただきあと8日間、81のすべての市町村に現場主義で出掛け、直接対話をさせていただきたい」。
 同53分 選挙戦10日目で初めて選挙カーに乗車。自らマイクを握り、市内の住宅地を小まめに遊説。
 11時半 上田市鹿教湯温泉のイベント会場。雨の中スーツを濡らして親子連れに駆け寄り握手。
 午後0時15分 小県郡長和町。車内から「未来に借金を残すのか、美しい緑の山を残すのか。子どもたちに借金の山は残しません」。
 2時40分 埴科郡坂城町の食堂の駐車場で休憩。終盤にかけて何に最も力を入れるか−との問いに「今まで行ってきていることと、それをさらに充実させることを地道に訴えていく」。
 同58分 千曲市戸倉のしなの鉄道戸倉駅前でビラ配り。喫茶店の女性客に「年金生活、だんだん右肩下がりになっちゃう」と訴えられ、「一部の人だけが恵まれるのではない、社会福祉を充実させます」。
 5時20分 小雨の中、長野市のJR長野駅前で演説。
 同51分 同市中心市街地で選挙カーを降り、付近の商店12軒を駆け足で回って従業員や客にビラを手渡す。
 6時43分 同市川中島町のスーパー駐車場で買い物客にビラ配り。若い女性には「(就学前の)子どもの医療費を無料化しました」。体調について「睡眠時間は2時間ぐらい。たまにしゃべりながら睡魔に襲われる」。
 7時53分 千曲市埴生公民館での個人演説会。「皆さんが自発的に集まっているのは、素晴らしい風土の信州・長野県が後戻りしてはいけないと、ご参加いただいていると思う」。


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