信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
「関心 高めないと」「ピンとこない」 若者の思いは
2006年7月24日掲載

 選挙のたびに若い世代の投票率の低さが指摘される知事選。告示から最初の日曜日を迎えた23日は、期日前投票に足を運ぶ20代を中心にした若い有権者の姿が見られた。一方で、街中では「選挙はピンとこない」と無関心を決め込む若者も。若い世代は今回の知事選をどう見ているか。長野市と松本市で声を集めた。
 「市民の声を聞く政治ができそうな人に入れた」。関東学院大学(横浜市)に在学する松沢春樹さん(21)は、帰省中のこの日、「時間があった」と、長野市役所で期日前投票を済ませた。「迷ったが、どちらが当選しても改革路線は引き継いでほしい」と注文する。
 松本市役所の期日前投票所には、会社員長谷川佳美さん(31)が夫の弘義さん(30)と訪れた。建設会社で働く佳美さんは「公共事業減で仕事の不安を感じる。でも県財政の苦しさも分かる」と慎重に見極めた。
 前回2002年の20代の投票率(抽出調査)は全体の投票率より17・46ポイント低い56・32%。前々回2000年も21・89ポイント低い47・68%にとどまり、知事選も若い世代が投票を避ける傾向にある。
 23日午後、長野市街地で店のチラシを配りながら、通り過ぎた選挙カーを見た美容院の女性従業員(21)は「知事選自体知らなかった。投票に行くつもりはない」と言い切る。松本市中心部の花時計公園で開いたフリーマーケットで古着などを売っていた、市内の自動車販売店勤務の男性(27)は「県に何かを期待するということがない」とし、「(投票するか)分からない」と話す。
 同じ公園で自作のネックレスなどを売っていた成沢学さん(25)=上田市=は「自然豊かな県の知事になるのだから、もっと環境の議論を。それを見極めて投票する」と、政策論議の深まりに期待を寄せた。
 都留文科大(山梨県)に在学する新津一真さん(21)は、投票は権利行使の大事な機会ととらえてインターネットで情報を収集し、長野市役所で期日前の1票を投じた。「リーダーによって県政は違う。若い人たちもしっかり注目して、関心を高めないと」と訴えた。


<前の記事 2006長野県知事選 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun