信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
民主、主体性発揮できず 「ねじれ」抱えて選挙戦へ
2006年7月 8日掲載

 7日、事実上の自主投票方針を決めた民主党県連。当初、「政党として責任を持った対応をする」と明言していた同党だが、県連としての主体性は発揮できなかった。
 「自民党側から『県政の混乱を収束させるためには民主党から候補を出してもらうのが一番いい』というメッセージがあったのに、途中から自民党が『民主党県政』を拒否する姿勢になった」
 会見で北沢俊美幹事長はそう述べ、候補擁立で自民党側との連携を模索したものの、期待通りに進まなかった経過にいら立ちを隠さなかった。
 北沢氏らは、比較的早い段階で同党参院議員の羽田雄一郎氏を擁立、自民党県連(小坂憲次会長)が支援する形で現職の田中康夫氏に対抗する構図を描いた。ただ、実際は国政で対立関係にある自民党との「腹の探り合い」に終始。県政をどう変えたいのか、そのためになぜ「政党間連携」が必要なのか―といった点を県民にきちんと訴えることができず、羽田氏擁立の空気も広がらなかった。
 結局、民主党の支持団体、連合長野は前自民党衆院議員の村井仁氏推薦を決定。一方で党内には、党本部が自民党との「相乗り禁止」方針を打ち出していることなどから、村井氏の支援に抵抗感を示す声や、田中氏を支援すべきだとの声もある。党は「ねじれ」を抱えたまま、選挙戦を迎えることになる。
 一方、村井氏はこの日「民主党県連が、県連としてまとめた田中県政の検証結果を、県民に真剣に受け止めるよう求めている点を高く評価したい」とのコメントを発表、幅広い結集に期待感を示した。同党支持層がどう動くのか、選挙情勢にも影響しそうだ。


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