信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
政党は知事選どう対応 「議論必要」目立つ慎重さ
2006年7月 2日掲載

 現職の田中康夫知事(50)に、公認会計士の若林健太氏(42)、コンサルタント会社経営の峯正一氏(44)、前自民党衆院議員の村井仁氏(69)の新人3氏が挑む構図となった知事選で、政党がどうかかわっていくかが注目点の一つになっている。今のところ「党内議論が必要」などと慎重な姿勢が目立ち、対応が出そろうまでにはなお時間がかかりそうだ。
 自民党県連の小坂憲次会長は1日、訪問先の須坂市内で取材に応じ、6月30日に出馬表明した村井氏について「決意は非常に重く受け止めている。党としての対応は総務会で相談して決めたい」と述べた。
 党県連は6月上旬、田中知事に代わる候補擁立を目指す「輝く明日の長野県を考える会」に、公募に応じた若林氏を推した経過がある。県連内には「あくまで『考える会』への推薦で、党としての対応は別」(同党県議)として、村井氏の推薦を促す声もある。ただ、小坂会長は総務会の開催時期についても「未定」とした。
 民主党県連の羽田孜代表は「北沢俊美幹事長ともよく話をして党の方針を決める」と話す。同党の支援団体である連合長野(近藤光会長)は村井氏支援の方向だが、小沢一郎党代表の「自民党との相乗りは好ましくない」との方針もあり、「そう簡単には推せない」と県連幹部。前回(2002年)、前々回(2000年)に続く自主投票の可能性が強まったと見る向きもある。
 一方、公明党県本部の佐野功武代表は「正式な推薦依頼が来てから検討する」としつつ、「個人的には、村井氏が知事にふさわしい」との見解を示した。
 選挙構図が固まれば、党の態度を決めるとしていた共産党県委員会。今井誠委員長は1日の取材に、方針は未定とした上で、田中氏に批判的な県議らを念頭に「過去2回の知事選で、改革の後戻りを狙った勢力と手を結ぶことはない。少なくとも村井氏を支援することはない」と述べた。
 「田中県政の下で改革はこれ以上進まない」と総括している社民党県連は、「立候補者の政策を見極めて方針を決める」(中川博司幹事長)とし、9日の幹事会で対応を協議する方針だ。
 田中氏自身が代表を務める新党日本は「田中さんから要請があればいつでも公認する」(平山誠総務局長)としている。


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