信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
「前哨戦」徐々に熱く 知事、村井氏を当てこすり
2006年6月29日掲載

 田中康夫知事(50)は28日の県会一般質問で、8月の知事選に自身が代表を務める新党日本公認で出馬するかどうかをただす質問に、「公党の責任ある役職の方が、聞き及ぶところによると選挙直前に肩書や所属を外される。その発想こそが、目先の選挙目当ての泥縄ではないか」と述べた。小林実氏(自民党)の質問に答えた。
 この日は本会議終了後、知事選に出馬の意思を固めた前自民党衆院議員の村井仁氏(69)が県議会棟を訪れ、知事与党を含む全10会派をあいさつに回った。同氏は無所属で立候補する意向で、知事の答弁は村井氏を当てこすった形だ。これに対し村井氏は、「幅広い結集」を目指す姿勢を知事に対してもアピールした格好。告示を前に「前哨戦」は熱を帯びつつある。
 知事は新党日本公認をめぐる前日の質問に、「私は1人の有機体である田中康夫であり、新党日本の代表であり、表現者、作家、同時に信州長野県の知事だ」などと答弁。28日の本会議後の取材に明言は避けたが、党公認で出馬する意向とみられる。
 一方、村井氏はこの日、自民党県議団(9人)の小林団長の案内で各会派の控室と議長室を訪ね「ご厄介をおかけします」「お世話になります」などとあいさつ。立候補表明前とあって知事選をめぐる発言はなかったが、自民党や県民クラブ・公明(9人)などでは所属県議から握手を求められ、激励された。
 志昂会(6人)の高見沢敏光幹事長は「(表明後に)また来てもらい、今度はしっかり応援すると伝えたい」。これに対し知事与党会派あおぞら(3人)の林奉文氏は「(田中知事に批判的なグループに)引っ張り出されて気の毒」と話していた。


<前の記事 2006長野県知事選 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun