信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
「田中県政」総括で応酬 県会一般質問、かみ合わず
2006年6月28日掲載

 県会6月定例会は27日、5日間の日程で一般質問が始まった。田中知事の2期目最後となる一般質問で、この日質問に立った8人のうち4人が、田中県政の成果や反省点などについて知事に「総括」を求めたが、議論はかみ合わなかった。
 小松千万蔵氏(県民クラブ・公明)は、県の第2次中期総合計画(2000―04年度)を取り上げ、「128項目のうち達成しているのは50項目。78項目が未達成だ」と指摘。これに対し知事は、同計画は前県政時代に策定されたもので「既に眠りについたもの」と主張。2002年の前回知事選で自身が掲げた公約「5直し」「8つの宣言」を挙げて、「計60項目のうち55項目は具体的に施策化されている」と述べた。
 「田中県政の検証が必要だ」とした村上淳氏(県民クラブ・公明)の質問に、知事は「県議会のあり方も検証されることが望まれている」と切り返し、「県と市町村の関係が悪化している」と指摘した向山公人氏(政信会)の指摘に対しては「良くないというなら具体的に示してもらいたい」と反論した。
 一方、知事与党会派あおぞらの林奉文氏が「これからの4年間に知事が目指す方向」を問うと、知事は「中長期ビジョン『未来への提言―コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命』で述べた理念を共有しない限り本県の変革は進まない」とした上で、「(共有できないということは)私以前(の県政)に戻ること」などと主張した。
 7月20日告示の知事選に、「新党日本の代表として出馬するのか」(小松氏)との質問も出たが、知事は「私は一人の有機体である田中康夫であり、新党日本の代表であり、表現者、作家、同時に信州長野県の知事だ」などと明言しなかった。


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