信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
村井氏が知事選出馬へ 「考える会」要請へ
2006年6月27日掲載

 前自民党衆院議員の村井仁氏(69)は26日、7月20日告示、8月6日投開票の県知事選に立候補する意思を固めた。週内にも正式表明する。村井氏は信濃毎日新聞社の取材に「最終的には、県民のために身をささげたい」と述べた。
 田中知事に代わる候補の擁立を模索していた「輝く明日の長野県を考える会」(代表世話人・近藤光連合長野会長ら)が村井氏を推す方針を決定。27日に都内で立候補要請することを決めたのを受け、決断したとみられる。
 一方、民主党県連(羽田孜代表)は、参院議員の羽田雄一郎氏(38)=県区=などの独自候補擁立を見送る公算が大きくなった。県連幹部もこの日、「(候補擁立に)動くことはない」と述べた。
 村井氏は取材に対し「(『考える会』が)どういう知事像を描き、私に何を求めるのか、よくお聞きしたい」と述べた。29日に小坂憲次・自民党県連会長が訪欧から帰国するのを待って同会長に出馬意思を伝えた上で、正式表明する考え。
 知事選をめぐっては、現職の田中康夫氏(50)が22日の6月県会提案説明で3選に向け立候補する意思を表明。新人では、公認会計士の若林健太氏(42)=長野市、コンサルタント会社経営の峯正一氏(44)=上田市=の2人が立候補の意思を表明している。村井氏が立候補に踏み切ることで、今知事選の構図はほぼ固まるとみられる。
 村井氏は自民党県連会長当時の昨年6月の県連役員会で、「県政の現状は混迷と停滞の閉塞(へいそく)感に包まれている」とのアピールを取りまとめるなど現県政を一貫して批判。現職に代わる候補の擁立を望む考えも表明していた。
 今月20日、市民グループの「新長野県政連絡協議会」から立候補要請された際には「重く受け止め熟慮する」と意欲を示し、出馬の前提条件として「考える会」などの幅広い支持を挙げていた。
 村井氏は木曽郡木曽町出身で東大卒。旧通産省を経て1986年に衆院初当選し、長野2区などで連続6期務めた。小泉内閣で国家公安委員長兼防災担当相を務めたが、郵政民営化関連法案に反対票を投じ、昨年9月の衆院選への立候補を断念した。現在自民党県連顧問を務める。


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