田中知事は16日の記者会見で、元八十二銀行頭取の茅野実氏が、15日の信濃毎日新聞と16日の中日新聞各朝刊に「鳴りやまぬ『目覚まし時計』をもう止めましょう」と題し、知事を批判する内容の意見広告を掲載したことに対し、「仁義なき戦いを闇討ち的に仕掛けている」と強い不快感を示した。
知事は会見で「茅野さんが意見広告にとどまらず、(知事選に)立候補されることを強く願っている」と述べ、掲載紙に対しても「選挙が間近である時に、一個人に選挙に出るなという意見広告が、新聞広告倫理綱領などでどう位置付けられているのか」と批判の矛先を向けた。一方、自身が出馬するかどうかは「まだまったく決めていない」と述べた。
かつて知事後援会の顧問も務めた茅野氏は、意見広告で「利権集団との長年の癒着を徹底的に断ち切ったのは見事」と知事を評価した半面、「公私の区別なく自分のやりたいことをやり、意に沿わない人を切り捨てては、真の県民益は得られない」「もうレッドカードを出させてもらうしかありません」と主張している。
取材に対し茅野氏は「私自身の態度を(広告を通じ)明確にしたいと考えた」と話している。