自民党県連（小坂憲次会長）は１１日、長野市内で総務会・選対委員会・職域支部長合同会議を開き、県連による知事選候補者の公募に応募した２人のうち、既に出馬表明している公認会計士の若林健太氏（４２）＝長野市＝を推す方針を決めた。１２日、田中知事に代わる候補擁立を目指している「輝く明日の長野県を考える会」（代表世話人・近藤光連合長野会長ら）に伝える。
　ただ県連は今回の決定について、「考える会」から政党間の連携を求められていたことへの回答と位置付けており、正式な党の推薦決定ではないと説明。今後、同会側の意見を踏まえ、「党として最終的に（方針を）決める」（小坂会長）としている。
　知事選の候補擁立をめぐっては、民主党県連（羽田孜代表）内に同党の羽田雄一郎参院議員（３８）＝県区＝の擁立を模索する動きが出ている。自民党の方針を受け、自民、民主両党の協議を求めている「考える会」や、民主党側の対応が当面の焦点となりそうだ。
　合同会議には約４０人が出席。公募に応じた若林氏と経営コンサルタント会社代表の市川周氏（５４）＝東京都＝の２人に絞り、非公開で議論した。終了後の記者会見で小坂会長は、出席者の意見は若林氏を推す声が多かった―と説明。一方で、今後の民主党との協議について「いろんな方の意見は聞かせていただく」と含みを持たせた。
　「考える会」は５月中旬、「民主党の現職国会議員と自民党の前衆院議員が有力候補」とした上で、候補者擁立に向け政党間の連携を要請。これに対し、自民党県連は「まず党の推薦を求める人がいるかどうかを把握する」とし、公募を行っていた。