信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
困難さ増した自民・民主の知事選連携 先行き見えず
2006年6月12日掲載

 自民党県連が11日、知事選に向けた候補者公募の結果、公認会計士の若林健太氏(42)を推す方針を「輝く明日の長野県を考える会」に伝えることを決めた。党内には、田中知事に「勝てる候補」の擁立には民主党県連(羽田孜代表)との連携が不可欠―との意見も依然根強い。だが、民主党側は「党主導で候補を擁立した場合を除き、自民党との相乗りは困難」(県連幹部)との受け止めが強く、焦点だった両党の連携は困難さを増した―との見方が強まっている。
 自民党県連は今月4日の総務会・選対委員会・職域支部長合同会議で、国会議員や県議、職域支部長ら計50人余に、応募者2人についての意見を求めていた。11日の会議後の会見で、小坂会長は意見の内訳を明らかにしなかったが、出席者によると、若林氏を推すべきだとした人は全体の3割余。残りは「会長一任」「該当者なし」などだったという。
 背景には、民主党内に羽田雄一郎参院議員(38)=県区=の擁立を模索する動きが出る中、自民党の若林正俊参院議員(県区)の長男である若林氏では、民主側の支援が受けにくい―との見方がある。自民党内には「羽田氏擁立を前提に自民、民主が連携すべきだ」(中堅県議)との意見もくすぶる。
 ただ、民主側も羽田氏擁立を明言したわけではない。同氏が出馬した場合、10月には参院県区補選が行われることもあり、国政選挙で議席を争う両党が「簡単に相手の言い分に乗れない」(自民党県議)事情もある。これまで両党県連幹部による協議も行われていないのが実情だ。
 自民党の候補者公募に応募後、若林氏は民主、公明、共産、社民の県内各党にも推薦を要請している。今後「考える会」が仲介する形で何らかの「合意点」を見いだせるのか、先行きは一層見通しにくくなっている。(宮坂重幸)


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