信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

理系3年生に「地域の科学」 高遠高が教育課程に新設へ
2013年1月12日掲載

 高遠高校(伊那市)は来年度、文理進学コースの理系3年生を対象に、自然環境を活用して学ぶ「地域の科学」を教育課程に新設する。地域課題に取り組む力を育て、実地試験や書類審査重視のアドミッション・オフィス(AO)や推薦入試での進学に生かす。独自に学習内容や単位数を決める学校設定科目として週3時間を予定している。

 南アルプスの地形、地質や学校林を活用し、林業、生態などの体験的な学習を盛り込む。住民と連携した授業、学んだことを観光客らに発信する冊子や商品などの企画も検討する。

 昨年度の同コース卒業生25人のうち7人が四年制大学に進み、多くはAOや推薦入試だった。本年度の理系2年生は物理の授業で南アの地質構造を調べ文化祭で発表した。授業を担当する理科の杉山敦教諭(48)は「野外で学ぶことを強みに進路につなげたい。関心や知識を社会で生かす意欲を高めたい」と話す。

 同校は昨年10月、伊那市や連携する長野大(上田市)、小中学校関係者らと将来像検討委員会を設置。県立高校再編を視野に特色ある学校づくりを目指している。他に芸術、福祉、情報ビジネスなどのコースがあり、石城正志校長(56)は「新設授業の経過を見て、1、2学年や他コースと連携した内容も考えていきたい」としている。


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