信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

高遠高の将来像検討へ 再編視野に委員会発足
2012年10月 6日掲載

 少子化に伴う県立高校の再編を視野に、高遠高校(伊那市)は5日、同校の将来像検討委員会を発足させた。初会合には同校振興会や同窓会、PTA、市、連携する長野大(上田市)などの代表ら約60人が出席。特色ある選択授業や校外活動を検討する専門部会を設けた。来年7月をめどに計画案をまとめる。

 同校は2007年度以降、入学者が定員120人に達しておらず、本年度は103人。同市高遠町で開いた初会合で石城(いしがき)正志校長は、上伊那地方の人口動態から、十数年後には上伊那の高校全体で生徒約400人、10学級分の減少が予測されると指摘。「よほどのことでは生き残れないと認識している」と述べた。

 また、過去には7割近くを占めた高遠町、長谷地域の生徒数が本年度は18・6%にとどまる現状を説明。「通学の交通費負担が大きい中、遠方から生徒に通ってもらえる魅力づくりが課題」とした。

 専門部会は、地元の公共施設、小中学校や大学関係者ら26人でつくる。保育園、小中学校を含む一体的な教育環境整備、地域振興への参画など、長期的な取り組みを検討。同校への進学促進や大学と連携した体験学習の場の確保を図る。短期的には文理進学コースを見直し、貴重な地質が見られる自然公園「ジオパーク」など地域特性を生かした選択科目の設置も検討する。


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