県立諏訪清陵高校(諏訪市、篠原秀郷校長)が中高一貫校の設置に向け、県教委に検討を求めることが27日、分かった。県立中学校を付属する「併設型」で、中高の6年間で将来を見据えたキャリア教育に重点を置き、諏訪地区全体の教育力向上に結び付けることも目指す。10月上旬、提案文書を県教委に提出する。
県教委は高校再編計画に基づき、併設型の中高一貫校を東北信と中南信に1校ずつ設置する方針で、東北信では屋代高校(千曲市)で2012年度に付属中を開校する準備が進んでいる。山口利幸・県教育長は取材に「(諏訪清陵の)提案を受けた段階でしっかり受け止め、前向きに設置を検討する」と説明。「県内のモデル校の有力候補となる」との見通しを示した。
篠原校長によると、開校時期や、小学生の選抜適性検査の内容、クラス編成、高校からの入学者への対応などは未定。基本的な目標に▽地元の中学と交流して地域全体の教育力向上を図る▽自ら学習できる能力を育てるため課題探求の授業を重視する▽理系と文系をバランス良く教育できる環境を整える―などを掲げる。本年度で文部科学省の指定が3回目となったスーパーサイエンスハイスクール事業も活用していく考えだ。
同校長は「清陵の伝統を基に、新しい時代に貢献できる人材を育てられる」と強調。地元中学生の県外や隣接通学区への流出の歯止めにもつなげたいとしている。
一方、現状の校舎に付属中を設けると、中学の履修科目「技術」の施設がなく、空き教室もほとんどない。同校長は新たな施設が必要との認識を示し、「地元市町村や県教委とよく話し合いながら検討していきたい」としている。
同校は昨年9月、教職員10人でつくる研究組織を校内に設置、検討を進めていた。