信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

犀峡高の地域キャンパス化 懇話会が了承
2010年2月21日掲載

 生徒数が減少し、再編対象になっている犀峡高校(長野市信州新町)の「あり方懇話会」の3回目の会合が20日、地元であり、県教委は地域キャンパス(分校)化を提案、懇話会が了承した。開校時期や本校をどこにするかなどは4月以降の会合で協議し、懇話会の意見を参考に県教委が決める。

 犀峡高は昨年度から2年連続で全校生徒が160人を下回り、周辺中学校の卒業生の半数以上がほかの高校に進学している。このため県教委の再編基準により、地域キャンパス化か他高校との統合、募集停止のいずれかを選ばなければならない。会合には、地元関係者の委員約10人が出席。県教委は再編基準をあらためて説明した上で、「高校を残してほしいという要望もあり、地域キャンパスとして存続させたい」と提案した。

 地元の中学生が今後も減少する見通しのため、委員からは「独立校がいいが、現実的ではない」「学びの拠点を残す上でやむを得ない」との意見が目立った。同窓会関係者は「犀峡高校の名前だけは残してほしい」と要望。小学校のPTA関係者からは、分校化後の生徒の募集方法について質問があり、県教委は「教育課程を含め、長野西高中条校のように、独自性を維持できるようにしたい」とした。

 犀峡高は、昨年6月に県教委が決定した第1期県立高校再編計画で、本年度内に方向性を決めることとされた。傍聴した同高生徒の保護者は「分校化で、きめ細やかな教育の質が確保できなくなるのではないか」と不安を口にしていた。


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