信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

地域に高校残して 犀峡高のあり方懇話会
2009年12月23日掲載

 県立高校再編計画で再編対象になっている信州新町の犀峡高校について、県教委と地元関係者が意見交換する「あり方懇話会」が21日夜、町役場で開いた。県教委が、生徒減が続いた場合は地域キャンパス(分校)化する―などの再編基準を説明し、地元側からは「地域に高校を残してほしい」との意見が相次いだ。

 県教委は、懇話会の意見も踏まえ、本年度中に結論を出す方針。この日は10月に続く2回目の会合で、県教委の担当者、同窓会代表、町議ら約20人が出席した。

 地元側からは、同校が不登校を経験した生徒を独自枠で受け入れていることから「穏やかな環境でゆっくり成長する子もいる。『数の論理』だけで分けるべきではない」との意見が出た。「小さい学校ほどよく目が届く」と利点を訴え、独立校として存続を求める声もあった。

 一方、少子化で分校化はやむを得ないとし「独自性を大事に地域で育てるしか方法はないのでは」との発言も出た。

 県教委は高校再編について「教育の質を低下させない手段」とし「(分校化しても)長野西高中条校のように、できるだけ独立性を維持する」などと理解を求めた。

 犀峡高は、本年度まで2年連続で全校生徒が160人以下で、卒業生の半数以上が同校に入学する中学校もなく再編対象になっている。県教委の基準は、1学年2学級(80人)規模に満たない場合、地域キャンパス化、統合、募集停止のいずれかとする―としている。次回の懇話会は、来年2月中をめどに開く予定。


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