県教委は5日夜、大町市の大町高校、大町北高校の再編問題を話し合う「地域とともに大町新校を考える懇話会」の第3回会合を大町高で開いた。両校などで設けた新校準備委員会が、現在検討中の学科や教育目標を盛った「大町新校の教育計画案」を文書で提示し、論議した。
計画案は、目指す学校像、育てる生徒像、教育目標についてそれぞれ3点を挙げた。学校像は「特色ある教育活動を展開し、多様な進路目標を実現できる学校」、育てる生徒像は「高い理想と強い志を持って、自己実現に向かって立ち向かっていける人」などとした。
設置学科は、「新学科」と普通科。新学科は自然科学分野と人文科学分野の2コースとし、1年生は両コースに共通する科目を履修、2年になる際にコース分けを行う。普通科で想定されるコースは進学、情報・ビジネス系、福祉・健康系の三つ。情報・ビジネス系は商業関係に、福祉・健康系は介護分野などに学習の重点を置くと例示した。
県教委は大北地方(旧第12通学区)の15歳人口が2024年度には418人となり、10年度(676人)の6割に減少すると報告。近年は大北地方から他地域の高校に入る生徒が、大北に他地域から入学する生徒より90人近く多く、生徒が「流出」傾向にあると報告した。
委員からは普通科で取得可能な資格についての質問のほか、「生徒が流出しない新校づくりを」「中学生がどんな新校を望んでいるか調べる必要がある」との意見が出た。
第4回会合は12月15日午後6時半から大町北高で。新校の規模や、生徒の募集開始時期などについて論議する。一般の傍聴も可能だ。