信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

新校設備充実と跡地活用求める 飯田工地元が県教委に
2009年1月 9日掲載

 県立高校再編で決まった飯田長姫と飯田工業(ともに飯田市)の統合について、県教育委員会は8日、市座光寺公民館で開かれた市座光寺地域自治会の振興会議で、新校の場所を飯田長姫とした経緯などを説明した。同自治会側は県教委の決定を了承した上で、新校の設備充実と、同地区にとって地元校である飯田工業の跡地活用を強く求めた。

 校地選定の理由について、県教委の原修二教育次長らは飯田長姫のほうが現在の教室数が多く、早期に環境整備が可能といった点を挙げ、教育的な視点から判断した―と説明。ただ、住民からは「2006年に示された最初の実施計画では、校地が飯田工業となっていたが、それは教育的視点の判断ではなかったのか」といった意見も出た。

 同自治会の小島稔会長は「疑問も残るが、決定を受け入れ、新たな段階へスタートを切りたい」と強調した。新校の充実とともに、飯田工業は同地区にとって大きな存在だったとし、跡地活用について地元を交えて早期に研究するよう求めた。

 県教委側は「県下伊那地方事務所などとも連携しながら、地元と跡地活用について話し合う場を設けたい」とした。住民の中には跡地活用の議論に飯田市もかかわるよう求める声が強く、会議に出席した牧野光朗市長は「市としても、企画部や教育委員会などが中心となって進めていきたい」と述べた。


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