信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

須高で統合受け入れ姿勢提言へ 工業系など新学科要望
2008年10月13日掲載

 県立高校再編で旧第2通学区の須坂市内4高校を3高校とする県教委の方針を検討していた「須高地域の高校を考える会」は14日、地元として県教委に提言する。高校統合は受け入れる姿勢を示す一方、地域で盛んな製造業にちなんだ新学科設置などを要望する。

 会は、須坂、須坂東、須坂商、須坂園芸の市内4高校の同窓会、PTA、商工団体代表らで組織。県教委の方針を受けて6月から、市内の各団体、小布施町、高山村にも呼び掛けて30回余の会議を重ねた。

 まとまった提言書は、統合は「生徒数減少による減校は避けられない道」と位置付けた。ほかに、4高校の伝統や建学の精神を生かし、産業教育の推進と開かれた学校づくりを要望する。

 具体的には、工業系精密金型学科、メカトロニクス学科、芸術文化コース、国際観光コースの創設を求めた。精密金型学科は、世界レベルとされる地元の金型製作での人材育成を求める産業界の意見を反映させた。

 また、多様な教育ニーズに応えるため、多部制単位制高校と特別支援学校高等部分教室の設置も報告書に盛り込んだ。「受験を控えた中学生や地域に動揺を与えたくない」ため、県教委が12月に予定する校名を盛った再編計画の発表も先延ばしを求めた。

 考える会の荒井清治会長(64)=須坂市下八町=は「時間的余裕はなかったが、ベストを尽くして、さまざまな方面の意見をまとめた。地域住民の声として生かしてほしい」と話している。


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