信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

要望書提出は了承 飯田工地元「意見聞く場を」
2008年10月11日掲載

 南信州広域連合は9日夜、県立高校再編で進められている飯田長姫、飯田工業(共に飯田市)統合の新校地について県教委へ提出する要望書案を、飯田工業がある座光寺地域自治会に示した。「長姫の方がやや優先度が高い」との集約を盛った案に、同自治会は「納得はできない」としつつも、県教委に地元へ出向くよう強く求めるとした点などを評価し、提出は了承した。

 連合長の牧野光朗・飯田市長らが訪れて説明。自治会側は、事前に地元の意見を聞く機会がなかったことなどを挙げ、集約の再検討を要望していた。これに対し、広域連合側は「指摘は謙虚に受け止める」と回答。その上で、集約は「地域の将来を展望して大所高所に立って集約した公平・公正なもの」として、覆すのは難しいと説明した。

 自治会からは「『長姫やや優先』だけは削除を」との声も出たが、「将来の教育を考えれば、一刻も早い新校整備が求められている」との方向で一致。広域連合が県教委に対し、新校地決定前に地元で意見を聞く場を設けるよう強く求めることを確認した上で、「座光寺の思いは県教委に直接アピールする」とした。

 小島稔・自治会長は「『謙虚に受け止める』との言葉は今後にも生かしてもらえると信じている」とあいさつ。牧野連合長は「要望書の提出で終わりとは思っていない。どちらかに校地が決まれば、もう一方の跡地利用についても十分に検討するよう県に要望するとともに、市としても責任を果たす」と述べた。


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