南信州広域連合議会は25日、飯田市内で全員協議会を開き、県立高校再編による飯田工業と飯田長姫(共に飯田市)の統合で、新校の場所を話し合った。現在の2校のいずれかを選択せざるを得ない―とした上で、施設整備の費用や環境面から「飯田長姫の用地の方が優先度がやや高い」と集約。広域連合は近く県教委側に考え方を伝え、県教委が最終的に決定する。
同連合議会の地域課題検討委員会がこの日、全協に先だって議論。飯田工業を選んだ場合は既存の体育館に加えもう1棟が必要となることや、飯田長姫の周辺には他の学校もあり、文教地域として位置付けられる―といった点を踏まえ判断した。
検討委の報告を受け、全協も同様の考え方でまとまったが、距離的に飯田工業に近い下伊那郡北部の議員からは「地域バランスが崩れる」といった声も出たため、県教委にはこうした意見も伝えるとした。
また、残った高校用地は県と地元が協議し有効活用を図るよう、強く求めることも決めた。
両校の統合についてはこれまで、学校関係者や地元経済団体代表らによる広域連合の高校改革検討小委員会が議論。新校の基本理念や、開校時は7学級とするなどの検討結果をまとめたが、校地については同連合議会に議論を委ねていた。
両校同窓生などからはそれぞれ自校を選ぶよう求める声が出ており、全協は十数人が傍聴。検討小委の委員でもある佐々木重光・飯田工業同窓会長は「連合議会に委ねると決めており、大局的な見地から出された結論として仕方ない」と話した。