県教委の県立高校再編計画を論議しようと、佐久市内の6校の同窓会長らが「佐久市の中等教育を考える会」の発足を決めた。計画骨子案は佐久地方(旧第6通学区)について、佐久市街地の5校を4校に再編するとして北佐久農、岩村田、野沢北、野沢南、臼田を対象に挙げているが、これまで学校の枠を超えた議論がなく、検討組織を求める声があった。9月上旬に初会合を開く予定だ。
野沢北同窓会の沼田秀人会長(77)=佐久市中込=が発起人となり、同校同窓会館で18日、準備会を開いた。再編対象の5校と望月の同窓会長、PTA会長、学校長ら約20人が参加。沼田会長は、県教委が12月をめどに具体的な再編案を示す予定なのに対し、「佐久では地域での議論がまだない。話し合いの場が必要との声を聞き、発起人になって皆さんに声を掛けた」と述べた。
参加者からは、各校のPTA同士で話し合おうと考えたが行動に移せなかった、市教委に旗振り役を期待したが実現しなかった−などの発言があり、考える会発足に合意した。佐久市教委の教育長や県佐久教育事務所長ら行政関係者の参加を求める意見や、「市内だけでなく佐久地方全体で考えてほしい」との声もあり、検討することにした。
会長には、当事者でなく教育分野に詳しい人として、校長や県教委高校教育課長を務めた新津真澄さん(85)=同市入沢=を推薦。19日、本人の了解を得た。
議論の場はできたが、具体的に何をしていくかは未定。県教委が具体案を示す予定の12月まで期間は十分とはいえず、「会をつくっても意見をまとめられるか不安」との声もあった。PTAで関心が高まっていないとの報告もあり、地域にどう議論を広げていくかも課題だ。
野沢北の高見沢正彦校長は「生徒数が減っていく中で、地域にどういう学校があるのが望ましいのか。議論する中で方向性が出せればいい」と期待を込めて話していた。