県教育委員会は23日夜、高校再編に関する懇談会を上田市民会館で開き、県立高校再編計画骨子案を説明した。旧第5通学区(上田市、東御市、小県郡)内に、希望する時間帯の授業を選択して学べる多部制・単位制高校を設置することが適切―との案に対し、地域や教育現場の声と一致していないとの意見が出た。
上田小県地域の高校や中学校の教員など、関係者約50人が出席した。
県教委側は、旧第5通学区について「当面、現状の学校数を維持」とし、魅力ある高校づくりへのニーズを考えると、多部制・単位制を「しなの鉄道沿線の駅に近い学校に設置することが望ましい」と、骨子案を説明した。
これに対し、「東御清翔高校をよくする会」(会長・保科俶教県議)が同校の多部制・単位制への転換を求め提言書を出している経緯を受け、同校教諭の男性(47)は「現場職員の感覚とは違う」と反論。新しい仕組みの多部制・単位制が同校に適切かどうか議論が必要―とした。このほか、「地域の要望のように受け取れるがそうではない」との意見や、12月に校名を挙げるという県教委の方針に対し「もっと時間がほしい」といった要望も出た。
小林一雄・高校教育課長は、設置する学校を具体的に決めたわけではないとした上で、「区内に多部制・単位制を設置する方向は変わらない」と述べた。