信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

地域合意求める声出る 佐久市街地5校の再編案
2008年7月30日掲載

 県教育委員会は28日夜、佐久地方(旧第6通学区)の県立高校再編を論議する懇談会を佐久市の県佐久合同庁舎で開いた。佐久市街地の5校を4校に再編する計画骨子案に対して、地域合意を得て進めるよう要望や質問が出た。小規模校の存続を求める声も多かった。

 教員や保護者、同窓会員、市議ら約180人が参加。県教委によると、佐久地方の中学卒業者は10年後に約380人、14年後に約645人減る見込み。減少率が他地区に比べて高く、11校は多い―と再編の必要性を説明した。12月をめどに具体的な学校名を入れた再編計画案を示すとした。

 対象となっているのは北佐久農、岩村田、野沢北、野沢南、臼田の5校。野沢南PTAの男性は、前回の再編論議は地域の理解を得られなかったと指摘した上で「地域住民との意見交換や議論はどのように進めるのか」と質問した。小林一雄高校教育課長らは、団体や学校の求めに応じて各地に出向いて話し合っているとし、「地域の人にどういう方法がいいか考えてもらえるようにしたい。佐久地方でも(議論の場があれば)出掛けたい」と答えた。

 小規模校も残してほしいとの要望も相次いだ。フリースクール運営に携わる女性は「中学で不登校だった子が定時制や小規模高校に進学し、少人数の環境に救われている」と訴えた。県教委側は、小規模校は理科や社会の専門教員確保やクラブ活動などに制約があるとし、「地域校を分校化して残す方法も検討し、地域の教育機会確保に努めている」とした。

 佐久地方と同様に1校削減案を示された須坂市では、対象4校の同窓会やPTA、商工団体などが「考える会」を、大町市でも対象に含まれた2高校の同窓会、PTAなどが「市民会議」をつくって意見交換している。この日の懇談会後、参加者からは「佐久市でも学校の枠を超えて議論する場が必要」との声が上がっていた。


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