信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

節目の年、期待と注文 公立高合格発表
2008年3月22日掲載

 高校入試制度改革から5年目となった県内公立高校の2008年度入試。一般入試(後期選抜)の合格発表があった21日、節目の年にスタートを切る高校の1期生となる生徒は、新たな学校生活に希望を膨らませた。高校再編で統合計画がある学校に合格した生徒からは、期待とともに「校風を残して」といった注文も聞かれた。
 上伊那農業定時制と統合し、箕輪工業から多部制・単位制に転換する箕輪進修(上伊那郡箕輪町)。午前、午後、夜間など希望する時間帯を選んで学べる。
 午後からの授業が中心となる2部普通科に合格した箕輪町の松尾知明君(15)は「授業を選択できるのが魅力」といい、「自由選択講座でCAD(コンピューター利用設計システム)の資格を取りたい。バレーボールの部活にも入りたい」。午前から授業のある1部普通科に合格した同町の唐沢希菜子さん(15)は「自宅から近く、箕輪工業の時から入りたいと思っていた」と喜んだ。
 長野市立長野は市立皐月から移行して男女共学の総合学科高に。普通科目に加え、職業教育などに関する専門科目を広く選択できる。市内の田辺冴華さん(15)は「今は期待ばかり。選択科目で手話や点字を勉強したい」。市内の岩草直樹君(15)は、同じ中学のバスケットボール部の同級生と何度も抱き合い、「市立長野にはバスケ部がないので、自分が部をつくりたい」と話した。
 県立高校再編の一環で統合へ準備が進む飯田長姫と飯田工業(ともに飯田市)。統合時期は未定だが、地元は「新たなものづくりの拠点校」とするよう要望。県教委は6月までに新校の素案を示すとしている。
 飯田工業電気科に合格した上沼裕太君(15)=下伊那郡豊丘村=は「統合で大きな学校になったとき、一人一人を細かく指導してもらえるか不安もある」。ただ、新たな学科が加わったりすることで「勉強できる分野の幅が広がるなら、将来にとっても役立ちそう」。
 「楽しそうな校風にあこがれ」、飯田長姫商業科に合格した大場由美子さん(15)=同郡松川町=は「校風や制服はこのまま残してほしい」。統合について知ってはいるが詳しくは分からないといい、「まだ現実味がないですね」とも話した。


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