高校再編問題で南信州広域連合が中心となって設けた「高等学校の未来検討委員会」は1日、飯田市内で会合を開き、県立高校再編で県教委が示した飯田工業と飯田長姫(ともに飯田市)の統合を受け入れる方針で合意した。同委員会は両校関係者や地元経済団体などで構成しており、飯田下伊那地方の15市町村長に続く受け入れ合意。
広域連合は今後、広域連合議会でも意見を聞き了承が得られれば、地域の総意として、両校の統合を職業高校統合のモデルケースと位置付け、「新たなものづくりの拠点校づくり」とするよう県教委に求めていく。
会合では、飯田工業の佐々木重光同窓会長が「ものづくりの拠点校という点を強調し、統合を前向きにとらえたい」とし、飯田長姫の三ツ井慶一同窓会長も「この方針で、じっくり活動を続けてほしい」と、ともに了承する考えを説明。全委員が拍手で統合受け入れ方針を了承した。
県教委は昨年9月の臨時県会で、県立高校再編案9件のうち両校の統合を含む6件が否決されたため、今年6月に再編案を撤回、再検討する方針を表明。しかし、両校については、例外的に「地元の理解を得て進める」とした。例外扱いに対し、地元から不満も出たため、議論が続いていた。
同委員会はこの日で解散。統合の具体的な課題については、両校関係者らで新たな委員会をつくり議論していく。