信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

受け入れ方針で合意 飯田工・飯田長姫の統合
2007年10月11日掲載

 南信州広域連合は10日、飯田下伊那地方15市町村長による会議を下伊那郡下条村で開き、県立高校再編の一環で県教委が示していた、飯田工業と飯田長姫(ともに飯田市)の統合を受け入れる方針で合意した。実施年度は未定。職業高校の統合は今回の再編で初めてとなることから、今後は県教委側に、モデルケースとして設備などを充実させるよう求めていく―としている。
 県教委は昨年9月の臨時県会に県立高校再編議案を提出したが、9件のうち両校の統合を含む6件が否決された。県教委は今年6月、再編計画を撤回、再検討する方針を表明。ただ、両校については例外的に「地元の理解を得て統合を進める」とした。これに対し両校関係者からは例外扱いへの不満も出され、広域連合は関係者から意見を聞くなどしていた。
 この日の会議では、統合を新たな「ものづくりの拠点校の開設」と位置付けるよう求めることで一致。高校再編で広域連合が中心となって設けた「高等学校の未来検討委員会」委員長の岡庭一雄・同郡阿智村長は「地域には4年制大学がなく、職業高校の存在意義は大きい。きちんと人材育成のできる環境づくりを強く要望していくべきだ」と述べた。
 今後、未来検討委や広域連合議会で意見を聞き、了承されれば地域の総意として県教委や県議会に要望する。
 広域連合の方針について、県教委の関哲夫高校教育課長は取材に「広域連合の考え方を尊重し、校舎や設備のあり方など両校関係者の意見を聞きながら統合計画を進めたい」と話した。


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