信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

小規模校に「再編」基準 分校や統合で検討
2007年6月15日掲載

 県教委は14日の定例会で、2006年3月に決定した高校改革プラン実施計画のうち、「凍結」が続いていた統合や多部制・単位制転換など7件を「いったん取り下げる」として、事実上撤回した。その上で、おおむね2年かけて全県立高校を対象に新たな再編方針を検討し、まとまったところから順次実施することを盛った新たな方針を決定した。県立高校の再編問題は「仕切り直し」を経て、新たな段階を迎えることになる。
 新方針は、05年3月に高校改革プラン検討委員会がまとめた最終報告に沿った内容。1学年2学級(80人)の規模を「下限」とし、これに満たない小規模高校について、他校の分校とする「キャンパス化」、統合、募集停止−のいずれかとするための再編基準を示したのが特徴だ。
 具体的には(1)全校生徒数が120人以下(2)全校生徒数が160人以下で、かつ卒業者の半数以上がその高校に入学する中学校がない場合−を挙げ、来年度以降(1)、(2)のいずれかに2年連続で該当した場合、再編対象になるとした。
 県教委によると、本年度は下高井農林(下高井郡木島平村)、中条(上水内郡中条村)、犀峡(同郡信州新町)、望月(佐久市)、白馬(北安曇郡白馬村)の5校が1学年2学級で生徒を募集。中条、犀峡は生徒数が120人を割っている。
 今後の新たな再編計画は、小規模校を含む全校を対象に、旧12通学区単位で意見を聞くなどして県教委が約1年かけて骨子を策定。2年目に計画を固める。高校長や小中学校長、PTA、自治体関係者や県議などの意見を聞いて進めるとした。
 山口利幸・県教育長は定例会で「同じ轍(てつ)を二度と踏んではいけないという思いで協議をしてきた。一つの方向性を学校関係者や保護者に示せる」と述べた。
 県教委が再編方針をいったん取り下げたのは、長野南と松代、岡谷東と岡谷南、大町と大町北、中条と犀峡、蓼科と望月の統合5件と、多部制・単位制への転換予定だった屋代南と野沢南の2件の計7件。一方、凍結対象外の飯山と飯山北は13年をめどに統合し、箕輪工業の多部制・単位制転換は08年度の実施を決めた。飯田工業と飯田長姫は統合計画を進めるとしたが、実施年度は示さなかった。


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