信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

再編節目の進学に不安と期待 公立高合格発表
2007年3月20日掲載

 統廃合校の「凍結」や学科転換など、県立高校再編の節目で迎えた2007年度高校入試は、19日の一般入試(後期選抜)合格発表で入試日程をほぼ終えた。県教委が凍結とした高校へ進学する生徒や、学科転換で総合学科1期生となる生徒からは、高校生活への期待に加え、不透明な再編の行方を心配する声も漏れた。
 近くの岡谷東(岡谷市)との統合計画が凍結された岡谷南(同)。英語を重点的に学ぼうと英語科を志望、合格した小口裕紀乃さん=岡谷市=は「(統合案で)英語科がなくなると聞いていたので一時、受験を迷った。(統合があっても)現在の英語科のカリキュラムなどは残してほしい」と訴えた。
 県教委が凍結した再編計画は統廃合5件に加え、屋代南(千曲市)と野沢南(佐久市)の多部制・単位制への転換2件も含む。
 千曲市の保科友佳さんは屋代南のライフデザイン科に合格。「全国高校家庭科技術検定で『三冠王』を取りたい」と意欲的だが、「全日制の後輩ができないと文化祭が盛り上がらず寂しくなる。転換はやめてほしい」とも。
 野沢南に合格した佐久市の加藤未来さんは「多部制・単位制も悪くないと思うので(転換は)気にならない。新しい友達をつくって新生活を楽しみたい」。一方、サッカー部で頑張るという同市の清水雄貴君は「普通科の人数が減るので転換してほしくない」と話した。
 丸子実(上田市)から転換する丸子修学館と、中野と中野実が統合する中野立志館(中野市)は総合学科1期生の合格に沸いた。
 丸子修学館は2年生から進路に応じ、幅広い科目から自分の時間割をつくる。東御市の東城亜依さんは「進みたい情報・コンピューター分野の勉強ができる」と志望。「手に職を持ちたい」という上田市の田中源太君は「工業にかかわる科目を取りながら将来を考えていきたい」と話す。
 中野立志館に合格した中野市の春日原豊生君は建築士になるのが夢。建設分野の科目を学ぶつもりだが、「専門に限らず幅広く学び、楽しい思い出をつくりたい」。同市の海野彩さんは「将来の夢がまだないから、自分の進路を考えたくて志望した」と、それぞれ意欲を見せていた。


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