信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

松田県教育委員長が辞職へ 再編の理解得られず
2006年11月28日掲載

 県教委の松田泰俊・教育委員長(62)=伊那市=は27日、任期を2年弱残し、教育委員を辞職する意向を固めた。県教委は28日の臨時会で同意し、村井知事も認める意向。松田氏は取材に対し、自身が進めてきた県立高校再編問題で「(統廃合の)多くの案件が理解いただけなかった」ことを理由に挙げた。
 松田氏は、高校統廃合関連議案6件が否決された臨時県会後の9月下旬、知事に辞職願を提出。知事は後任の人選に時間がかかることなどを理由に慰留していた。
 同氏は今月22日、あらためて知事と県教委あての辞職願を提出した。知事は27日、「ご本人がどうしてもお辞めになりたいとおっしゃった」として、後任については「じっくり考える」と述べた。
 松田氏は小中学校長などを経て、2004年10月に県教育委員(任期4年)に選任。今年1月に委員長に就任した。3月には高校再編に向け、統廃合を含む高校改革プラン実施計画を決定。来年度からの一斉実施を目指したが、「地域合意を得ていない」と強い反発を招き、9月の県教委臨時会では統廃合のうち5件を「凍結」した。
 県教育委員(定数6)は8月の知事選後、教育長だった丸山〓氏が同月末に辞職。9月県会で山口利幸・現教育長が委員に選任された。今月10日には高校改革プラン検討委員も務めた金子郁容氏が辞職しており、松田氏の辞職で欠員2となる。
(〓はりっしんべんに晃)


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