信濃毎日新聞ニュース特集

どうする高校改革

地元意見の尊重求める 飯田で県教委ら迎え意見交換
2006年11月21日掲載

 南信州広域連合は20日、県教委の原修二教育次長らを迎えて、高校再編についての意見交換会を飯田市内で開いた。飯田下伊那地方の首長や市町村議会議員のほか、統合対象となった飯田工業高校と飯田長姫高校の関係者も出席。県教委のこれまでの進め方を批判する発言のほか、地元の意見を尊重するよう求める声が相次いだ。
 飯伊地方は県内で唯一、広域連合が中心となり独自の統合案をまとめた経緯がある。9月の臨時県会では、飯田工業高と飯田長姫高を含む6件の統合案が否決されたが、県教委は他地域の5件を「凍結」としたのに対し、飯伊地域だけは「必要な整備をした上で議会にあらためて同意を求める」としていた。
 広域連合長の牧野光朗・飯田市長は、地域独自の案について「断腸の思いで下した結論。正直者がばかをみることのないような再編にしてほしい」と強調。飯田長姫高校同窓会の三ツ井慶一会長は「ほかの5件が何も進められないまま、ここだけ統合では納得できない」と主張した。県教委側は「飯伊についても、十分な地域合意が得られているとは考えていない。他に先んじて進めるということはない」とし、10月の県会一般質問での同趣旨の答弁についても説明した。
 また、阿智村の岡庭一雄村長は「魅力ある高校づくりよりも先に統廃合ありきの拙速かつ強引な手法」と、これまでの進め方を批判し、どう総括しているか質問。県教委側は「関係者に理解を得るための手順と努力が欠けていた」と答えた。


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